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独身男が40代で”身体を壊す”と、人生が一気に終わる理由。誰も看病してくれない俺たちの現実

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夜中の三時。胸の真ん中がしくしくと痛んだ。

逆流性食道炎の発作だ。ここ数ヶ月、月に二、三度はある。胃酸が食道を逆流して、心臓のあたりまで焼けるような不快感が走る。横になっていると悪化するので、起き上がって台所で水を一杯飲んだ。

蛍光灯の下でふと思った。

「もしこれが心筋梗塞だったら、俺は今日ここで死ぬのか」

救急車を呼ぶ手段はある。スマホは枕元にある。だがその先のことを考えると、頭が冷えていく。入院手続きの「保証人」の欄に、誰の名前を書けばいいのか。実家の親父はもう70を超えている。姉とは数年に一度しか会わない。

独身で低年収で40に手が届きそうな俺たちにとって、「身体を壊す」ってのは単に病気になることじゃない。人生のシステムそのものが静かに、しかし確実に崩壊し始める合図なんだ。

この記事で解決できる悩み
  • 健康診断を何年も受けていない自分が、何から手をつければいいのか分からない
  • 独身で身体を壊した時、誰に頼ればいいのか具体的に想像できない
  • 金も時間もない中で、最低限やっておくべき身体メンテナンスを知りたい
目次

「保証人」という、独身男を殺すたった三文字

40代で身体を壊した時、まず立ちはだかる壁は病気そのものじゃない。「身元保証人」という、たった三文字の制度的な壁だ。

入院するとき、手術を受けるとき、施設に入るとき、ほぼ全ての医療機関で身元保証人を求められる。法律で義務付けられているわけじゃないが、現場では「事実上の必須事項」として運用されている。連帯保証人を兼ねるケースも多くて、医療費の支払いが滞った時の保証、緊急時の連絡先、そして遺体の引き取り。そういうものをまとめて引き受ける存在だ。

世間の人間はこれを軽く考えている。「親か兄弟に頼めばいいじゃないか」と。

だが俺たちはどうだ。両親はもう高齢で年金暮らしだ。兄弟姉妹はそれぞれの家庭があって、こちらの保証人になることに配偶者がいい顔をしない。職場の同僚? そんなものは書類上の保証人にはなれない。

つまり、独身男が40代で大きな病気をした瞬間、「治療すら満足に受けられないリスク」が現実として降ってくる。これは20代や30代前半では想像もできなかった現実だ。まあ、仕方ない。これが俺たちの立っている地面だ。

健康診断を「受けていない」独身男の、おそろしい現実

厚生労働省の調査によれば、健康診断を毎年受診している人の割合は、企業に所属している正社員では7割を超えるが、非正規雇用や個人事業主では4割を切る。そして独身男性の健康診断受診率は、既婚男性に比べて10ポイント以上低いというデータもある。

なぜか。答えは単純だ。「健康を気にかけてくれる他人が、いないから」だ。

妻がいれば「あなた、今年の健診はいつ?」と声をかけてくれる。子供がいれば「お父さん、長生きしてね」というプレッシャーがかかる。だが俺たち独身男にはそれがない。誰も俺の血圧を心配していない。誰も俺の肝臓の数値を覚えていない。

その「無関心の空間」が40代で牙をむく。

俺の知る限り、40代で初めて受けた健康診断で、糖尿病・脂質異常症・高血圧の「メタボ三兄弟」を全部引き当てる独身男は決して珍しくない。症状がないから放置していた。気づいた時には不可逆な領域まで進行していた。これが独身男特有のパターンだ。

自治体の健康診断は、ほぼ無料か数百円で受けられる

職場の健診がない。あるいは非正規で受けさせてもらえない。そういう独身男に伝えたい。

自治体(市区町村)の住民健診は、ほぼ無料か自己負担数百円で受けられる

手順はシンプルだ。

住んでいる自治体のホームページで「住民健診」「特定健診」と検索する。対象年齢(多くは40歳以上、自治体によっては30代から)と、受診できる医療機関のリストが出てくる。あとは電話で予約して、保険証を持って行くだけだ。

検査項目は、身長・体重・血圧・血液検査・尿検査・心電図あたりが基本セット。これだけで生活習慣病の初期兆候はほぼ全て検出できる。

「会社の健診がない俺には健康診断は無理だ」。それは思い込みだ。自治体の健診を調べていない」が正確な現実だ。歯医者の話と構造はまったく同じ。知識の量で、痛みの量が決まる。

歯科を、独身男は絶対に軽視するな

健康診断の次に独身男が放置しがちなのが歯科だ。

歯のメンテナンスは独身男の生存戦略において、「コスパ最強の自己投資」だと俺は思っている。

虫歯になってから治療すると高い。だが定期検診(3〜6ヶ月に一度)で歯石を取るだけなら、保険適用で3,000円前後で済む。歯を失うと咀嚼力が落ちる。咀嚼力が落ちると消化器系に負担がかかって、結果として全身の老化が加速する。これは独身男が一人で老後を迎える時に致命的になる。

そして口臭や歯並びは、対人関係に直結する。低年収で独身の俺たちが、せめて「不潔感のないオッサン」として社会に存在し続けるための、最低限の防衛線だ。

俺は3ヶ月に一度、近所の歯科に通っている。費用は1回あたり3,000円程度。年間で1万2,000円。ハイツ・サンシャインの家賃の5分の1にも満たない、ささやかな保険料だと割り切っている。

ついでに言っておくと、家での歯磨きを電動歯ブラシに変えてから、歯科衛生士に「歯石が減りましたね」と言われるようになった。5,000円程度の安いモデルで十分だ。これは俺の数少ない「装備品」の一つになっている。

俺が3年使っているのは、フィリップスの一番安いモデル。これ以上の機能はいらない
フィリップス 電動歯ブラシ(Amazon)

運動不足は「ジムに行け」じゃない。「階段を使え」だ

最後に運動の話を少しだけする。

独身男の運動不足解消について、世間は「ジムに通え」「ランニングしろ」と言う。月会費8,000円のジムに低年収独身男が継続的に通えるわけがない。あれは世帯年収700万以上の家庭の趣味だ。

俺がやっているのはたった二つだ。

一つ。エスカレーターとエレベーターを原則使わない。駅でも職場でも買い物先でも階段を使う。これだけで一日あたり10〜20分の運動量が強制的に確保される。

二つ。休日に一駅分歩く。最寄り駅から一つ手前で降りて家まで歩く。あるいは図書館まで往復30分歩く。それだけだ。

ジムの会費はゼロ円。ウェアもいらない。シューズはいつものスニーカーでいい。

ただ、靴底だけはまともなものを履いたほうがいい。Amazonで5,000円前後のウォーキングシューズを一足持っておくと、足腰への負担が劇的に減る。安物のスニーカーで一年歩いて膝を痛めるより、はるかに安上がりだ。

3年履いても底が抜けない。それだけで十分だ。
[アディダス] ランニングシューズ(Amazon)

結論:俺たちにとって、健康は「資産」じゃなく「最後の砦」だ

世間は健康を「資産」だと言う。だが俺たち独身・低所得男にとって、健康はもっと切実な意味を持つ。

それは「最後の砦」だ。

家族という砦はない。貯金という砦も心もとない。キャリアという砦も、もうこれ以上積み上がらない。残っているのは自分の身体だけだ。

その最後の砦を、健康診断を受けないことで、歯医者に行かないことで、階段を使わないことで、自分から崩していくのは、あまりにも愚かだ。自分で自分の足を撃ち抜くようなもんだ。

派手な健康法はいらない。自治体の健診を受ける。3ヶ月に一度、歯科に通う。階段を使う。一駅歩く。それだけで40代で「人生が一気に終わる」確率は確実に下がる。

俺たちは誰にも看病されない。だからこそ自分で自分の砦を、淡々と守り続けるしかない。

まあ、仕方ない。それが独身男の生存戦略だ。

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この記事を書いた人

kouji_kimuraのアバター kouji_kimura 限界独身サバイバー

38歳、独身。手取り22万の電話オペレーター。 27歳で「あなたとの将来が見えない」と振られたことを機に、世間並みの幸せを諦める。現在は、人生のダメージを最小化する「生存防衛線」を構築し、静かな孤独を享受している。

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