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独身男の厚生年金は足りるのか ― ねんきん定期便を直視した38歳の、絶望と冷静な対処法

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ねんきん定期便。年に一度、誕生月にハガキで届く、あの薄いブルーの紙。

あれを開ける瞬間が年々怖くなってきた。健康診断の結果より、確定申告の還付額より、ずっと怖い。なぜならそこには、俺がこれから死ぬまでに国からもらえる金の総額が、ほぼ確定した数字として書かれてるからだ。

38歳。厚生年金の加入歴は通算で20年ちょっと。前回の記事でも書いたが、俺が65歳から受け取る年金の見込み額は月およそ11万円。

この11万円で本当に生きていけるのか。足りるのか、足りないのか。今回はその一点を、感情を抜きにして検証していく。

この記事で解決できる悩み
  • 独身男性が将来もらえる厚生年金が、現実にいくらなのか知りたい
  • 年金だけで老後を生きていけるのか具体的に判断したい
  • 足りないなら、どう備えればいいのか手順を知りたい
目次

そもそも、独身男の厚生年金はいくらなのか

厚生労働省の発表によると、令和の現在、厚生年金の平均受給額は月およそ14万5000円らしい。これを聞いて「意外と多いな」と思った人がいるかもしれない。

だがこの数字には罠がある。

平均ってのは、現役時代に高給を取ってた大企業の元正社員と、俺みたいに30歳から正社員になった人間を全部混ぜた数字だ。現役時代の年収が低ければ低いほど、もらえる年金も少なくなる。当たり前の話だ。厚生年金は納めた保険料に比例する仕組みになってる。

俺の場合、20代は派遣と契約社員を転々としてた。厚生年金に入ってない時期もあった。30歳で正社員になってからの加入歴はまだ8年。これを65歳まで続けてもフルでの加入歴は35年。標準的な40年加入には届かない。

その結果が見込み月額11万円。平均より3万円以上少ない。これが俺たちみたいな「キャリアが綺麗じゃない」独身男のリアルだ。

月11万円で、人間は生きていけるのか

結論から言う。生きていけなくはないが、ギリギリだ

前回の記事で書いた俺の老後想定支出は月13万5000円。

つまり毎月、約2万5000円が赤字になる。

家賃を払って、食って、薬代を払って、たまに本を買う。それだけで赤字。趣味らしい趣味もない、酒もほぼ飲まない、旅行にも行かない。それでも赤字なんだ。

これが「年金だけで暮らす」ってことの正体だ。世間で語られる「ゆとりある老後」とか「セカンドライフ」とかいう、あのキラキラした言葉がいかに現実離れしてるかがわかる。俺たちにあるのはゆとりじゃなくて、赤字を埋めるための日々の闘争だ。

年金が「足りない」という事実を、どう受け止めるか

ここで多くの人は絶望するか、目を逸らすかのどっちかを選ぶ。

俺は最初、目を逸らした。ねんきん定期便を引き出しの奥にしまって、見なかったことにした。だがそれで何かが変わるわけじゃない。むしろ夜中の三時に動悸で目が覚める回数が増えただけだった。

逃げても恐怖は消えない。直視したほうがまだマシだ。

そして直視してみると、不思議なことに気づく。「足りない」って事実は絶望の理由じゃなくて、設計の出発点でもあるってことだ。

月2万5000円足りないとわかってれば、年30万円、20年で600万円を別の手段で確保すればいい。具体的な数字さえ見えれば、恐怖は管理可能なタスクに変わる。漠然とした不安より、具体的な赤字額のほうが、ずっと扱いやすい。

不足分を埋める、三つの現実的な手段

ひとつ目:新NISAでの長期積立

月3万円を全世界株式のインデックスファンドに27年積み立てる。これは前回の記事でも書いた。年利5%で複利運用できれば、元本約970万円が計算上2000万円弱になる可能性がある。

不足分の600万〜750万円は、これで十分カバーできる計算だ。

口座はSBI証券か楽天証券。手数料は業界最低水準で、つみたて投資枠の商品ラインナップも揃ってる。俺はSBI証券で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を機械的に積み立ててる。銘柄選びに悩む時間こそ、人生で一番無駄な時間だ。

ふたつ目:年金の繰り下げ受給

これは意外と知られていない裏技だ。

年金は65歳から受け取るのが基本だが、受給開始を遅らせるとその分だけ受給額が増える。1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額。70歳まで遅らせれば42%増、75歳まで遅らせれば84%増になる。

月11万円が、70歳開始なら月15万6000円。75歳開始なら月20万2000円。

ただしこれは「健康で70歳まで働き続けられた場合」の話だ。健康を失えばこの戦略は使えない。だからこそ日々の健康管理が立派な年金対策になる。逆流性食道炎を抱えた俺が酒と暴飲暴食を控えてるのは、そういう理由もある。色気のない動機だが、事実だ。

みっつ目:iDeCo(個人型確定拠出年金)

新NISAと並行してiDeCoも選択肢に入る。掛金が全額所得控除になるため、現役時代の節税効果が大きい。

手取り22万の俺の場合、月1万円をiDeCoに入れると、年間で2万〜3万円ほど税金が安くなる。これを27年続ければ、節税だけで70万円前後が手元に残る計算だ。

ただし60歳まで引き出せないって縛りがある。生活防衛資金とは別枠で考える必要がある。

まず、何をすべきか

ここまで読んで「で、結局何から始めればいいんだ」と思った人へ。最初の一歩は単純だ。

「ねんきんネット」に登録しろ

日本年金機構が運営してる無料のサービスで、マイナンバーカードがあれば数分で登録できる。登録すると、自分の年金加入履歴と現時点での将来の受給見込み額がリアルタイムで確認できる。

ねんきん定期便は年に一度しか届かないが、ねんきんネットならいつでも見られる。自分の数字を自分の目でいつでも確認できる状態にしておく。これが全ての始まりだ。地味だが、ここを飛ばすと何も始まらない。

ねんきんネット

「年金は土台」と割り切る

結局、俺たち独身・低年収男性にとって厚生年金は「足りないけどゼロじゃない土台」だ。

月11万円って数字を、絶望の根拠にすることもできるし、設計の出発点にすることもできる。どっちを選ぶかで、これからの27年の景色が変わる。

俺たちにとって、それはどういう意味を持つのか。

それは、年金に過剰な期待をせず、しかし完全に無視もせず、「土台の上に、自分で屋根を作る」って姿勢で老後に向き合うってことだ。屋根の材料は新NISA、iDeCo、繰り下げ受給、そして健康。地味な道具ばかりだが、組み合わせれば最低限の雨はしのげる。

足りないって事実は絶望じゃない。設計図の最初の一行だ。

まあ、面倒だが、やるしかない。明日もまたねんきんネットを開いてみる。

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この記事を書いた人

kouji_kimuraのアバター kouji_kimura 限界独身サバイバー

38歳、独身。手取り22万の電話オペレーター。 27歳で「あなたとの将来が見えない」と振られたことを機に、世間並みの幸せを諦める。現在は、人生のダメージを最小化する「生存防衛線」を構築し、静かな孤独を享受している。

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